2012年11月22日

「市販薬」の副作用 身近な薬の落とし穴

「市販薬」の副作用 身近な薬の落とし穴
11月19日(月)NHKのクローズアップ現代で放送されたのが
身近な薬の落とし穴 警告!「市販薬」の意外な副作用

『手軽に買えて、いざというとき頼りになるかぜ薬などの市販薬。
 実は市販薬には思わぬ副作用が潜んでいることが分かってきました。
 この女性は市販薬の副作用によって生死の境をさまよい、
 後遺症で左目の視力をほとんど失いました。』


薬の副作用による後遺症の治療を行っている京都府立医科大学附属病院。
月に1度開かれるSJS外来。
スティーブンス・ジョンソン症候群を発症した患者が受診します。
この日、外来を訪れた岡村かおりさん。6年前に市販薬を飲んで副作用を発症しました。

岡村さんが副作用を発症したのは20歳のとき。
念願だった美容関係の仕事に就いた2日後のことでした。
岡村さんは軽いかぜをひきました。発熱と頭痛を感じた岡村さんは
こじらせてはいけないと、以前にも飲んだ経験がある市販の解熱鎮痛剤を
用法用量を守って飲みました。
その3時間後。岡村さんは違和感を感じました。
唇が腫れ、熱く感じたといいます。さらに翌朝。
目が覚めると、目にも気になる症状が現れていました。
目の症状が気になった岡村さんは、眼科を受診しました。
細菌性の急性結膜炎の疑いという診断でした。
かぜと見られる症状はその後も、よくなりません。
顔に、にきびのような発疹が現れ、体温を測ると39度近くにまで上がっていました。
そこで、再び同じ市販の解熱鎮痛剤を飲み、様子を見ました。
最初に薬を飲んでから3日目。
かぜを早く治したいと思った岡村さんは、仕事を休んで内科を受診。
そこでは、かぜとよく似た症状の手足口病(てあしくちびょう)と診断されました。
さらに排尿痛があったため婦人科も受診しました。しかし結果は原因不明。
時間が経過する中、岡村さんの体内では深刻な事態が進行していました。
明らかな異常が現れたのは4日目の夕方でした。
鏡に映った姿を見て岡村さんは、がく然としました。
「“えっ、なんだこれ”みたいな。口の中をのぞいてみたら、
びっしり口の中が水疱(すいほう)だらけになっていたので、
これは何なんだろうと思って、だんだん息苦しくもなってきて。」

命の危険さえ感じたという岡村さんは総合病院の夜間急病センターに駆け込みました。
そこで岡村さんは意外な質問を受けます。「何か薬を飲みましたか?」
このとき岡村さんを診察した東克己医師は薬の副作用による
スティーブンス・ジョンソン症候群だと直感しました。

岡村さんは、すぐに大学病院の専門医を紹介され、治療が始められました。
皮膚のただれが、やがて全身に広がりました。さらに肺にまで炎症が拡大。
呼吸困難に陥り、生死の境をさまよいました。
しかし懸命な治療によって、かろうじて一命を取り留めたのです。

こうした市販薬の副作用はアレルギー反応の一種だと考えられています。

薬を飲んだとき、その成分に体の免疫機能が過剰に反応することがあります。
健康な皮膚や粘膜の細胞が異物と見なされ、攻撃された場合にはSJSを発症します。
一方、この反応が肺に現れると空せきや呼吸困難を伴う間質性肺炎に陥ります。
肝臓に現れた場合にはおうだんなどの症状が出る薬物性肝障害を引き起こします。
こうした症状が悪化するといずれも死に至る危険があります。
過去5年間で製薬会社から市販薬の副作用で死亡した可能性があると
報告されたのは24件。その年齢は幼児から高齢者にまで及んでいます。


6年前に副作用を発症し、一命を取り留めた岡村さん。
しかし目の後遺症などに悩まされ、仕事は辞めざるをえませんでした。
収入が断たれた一方で後遺症の治療に、今も月2万円がかかるといいます。
岡村さんのケースは薬による副作用だと国から認められました。
しかし救済制度によって支給されたのは発症当時の医療費など66万円に限られました。
NHK ONLINE クローズアップ現代より抜粋

平成21年6月から市販薬の販売方法が変わりました。
市販薬の販売は、薬に関する情報提供や指導ができる薬剤師のいる薬局や
ドラッグストアに限られていたのが、薬剤師とは別の「登録販売者」の資格を持っている
スタッフがいれば、スーパーやコンビニエンスストア、家電量販店でも
販売できるようになったのです。リスクが高い「第一類医薬品」については、
薬剤師が必ず書面を用いて、適正使用のために必要な情報提供を行うことが
義務づけられています
が、「第二類医薬品」(風邪薬・解熱鎮痛薬など)については
薬剤師または登録販売者は、購入者から質問がなくても
積極的な情報提供を行うことに努める(努力義務)とされています。
つまり、「お客様がレジに集中し忙しかったので、特別な注意もなく販売した」としても
法律違反にはならないのです。
健康に関する意識が高まり、自分自身の判断で健康管理や軽い病気や
けがの治療を行う「セルフメディケーション」は大切ですが、
どんな薬にも副作用は付き物です。
副作用のない薬は存在しないと言っても過言ではないでしょう。


【薬を飲みさえすれば治る】と過信するのはとても危険なことです。
※必ず箱に記載されている注意事項を読み、用法用量を守ること。
※疑問に思ったことはすぐに薬剤師やスタッフに質問すること。
※コンビニなどで薬を購入する際は、登録販売者の名札を確認し、
  その薬を服用する際の注意事項を確認すること。
※何かしら体の変化を感じた場合は服用を中止し、すぐに医師の診察を受けること。
※だらだらと長期間飲み続けないこと。

消費者にとっては市販薬を購入できる場所が増え、より利用しやすくなった反面、
自分自身でリスクの管理をしなくてはならないことを理解しましょう。

 
 



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Posted by サプリメント管理士 at 23:16│Comments(1)健康について
この記事へのコメント
市販薬をほとんど買わなくなってから
10年以上経ちます。
有り難い事に、近くのお医者様が信頼のおける
方ばかりなので弱い体もなんとか維持出来ています。

市販薬のニュースを見て驚きましたが
そもそも「薬」で副作用が無いものはありませんから
少しでも調子が悪かったら専門医に診て頂き、そして
自分自身も薬や病気の知識を広げることも重要だと思います。

今のところ、内科、整形外科、心療内科、皮膚科、眼科、歯科の
六人の先生方に守られております。
我が身を大事にすべし!
結果、仕事もプライベートもなんとかなるのでは
ないでしょうか?
Posted by 夢〜 at 2012年11月22日 23:33
 
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