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「7万人が自宅を離れてさまよっている時に国会はいったい何をやっているのですか」
火を吐くような気迫に衆院委員会室は静まり返った。
先週、厚生労働委員会に参考人として呼ばれた
東京大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の発言だ。
教授の試算は衝撃的だった。
福島第一原発の事故で漏出した
放射性物質は広島原爆の約20個分。
1年後の残存量は原爆の場合、千分の一に減るが、原発から出た放射性物質は
十分の一程度にしかならないという。
福島県相馬市で自らが手掛けている除染活動を通じ、
内部被ばくから子供を守ろうとする責任感が伝わる発言だった。
国会の怠慢を厳しく批判する先には、動きがあまりにも鈍い国への憤りがある。
細野豪志原発事故担当相は日本記者クラブでの記者会見で
「 除染作業こそ国家的プロジェクト。福島の皆さんに希望を持っていただける 」
と語っている。今後、除染作業が兆単位の公共事業になるのは間違いない。
児玉教授は、民間の技術を結集し
直ちに国の責任で除染研究センターを設置するよう求めた。
避難住民を無視した利権まみれの公共事業にしてはならない。
「 人が生み出した物を人が除染できないわけがない。福島におけるセシウム除染は、
次の世代への日本の科学者の責任である 」
教授は医学雑誌にそう記した。学者の良心に希望を感じる。】
中日新聞8/10朝刊 中日春秋より
広島・長崎への原爆投下、第五福竜丸の被爆を体験した日本人が
なぜ再び放射能の恐怖におびえることになってしまったのか?
自然への畏怖を忘れてしまったのか 人間の力を過信してしまったのか
原発がもたらす利便さに足元が浮足立ってしまったのか
放出された放射能は大気や土、水を汚染し、
この先何十年も 命をむしばむ可能性があります。
私たちはその中で生き、なおかつ未来を創らなければならない。
原発を容認したのは 私たちみんなの責任です。
誰かが悪いとか こうすれば良かったと言うよりも、今何ができるのかを知りたい。
未来への責任を果たすために、日本を再生するために
「ちっぽけな私」で終わらないよう歩み続けたい。