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愛知県設楽町（したらちょう）の山間にある田峯（だみね）小学校は
木造平屋建ての小さな小さな学校です。
足もとには田峯城（だみねじょう）、背後には田峯観音（だみねかんのん）を従えて
まるでアルプスにある山小屋のような小学校です＾＾


開校は明治6年、小学校の統廃合が行われた時にも 自力でがんばり、
現在、生徒数は14名、子供も保護者もみんな顔見知りの温かな学校です。
今回、ここを訪れた目的は・・・


戦前、アメリカから贈られた青い目のお人形「グレース」ちゃんを見せて頂くため。


昭和2年、アメリカから日本の子供たちへ、国際親善の心が芽生えることを願って
12,739体の青い目の人形が贈られました。愛知県には349体の人形が贈られ、
当時の人々は大変感激し、大歓迎したそうです。
日本からもお礼や親善の意味を込めて、黒い眼の人形（答礼人形）が贈られました。


ところが時代が変わり、戦争が始まると、敵国の物を持っていてはいけない、
敵国と仲良くしてはいけないと、人形を処分するようにとの命令が出されました。
でも関係者達は「人形に罪はない」と人形を天井裏や物置に隠したのだそうです。
しかし、ほとんどの青い目の人形は、焼かれたり竹やりで突かれたりと、
処分されてしまったり、行方が分からなくなってしまいました。。。。

その後、平成2年に「愛知・青い目の人形サミット」が開催され、
愛知県内には9体の存在が確認されました。
私の住んでいる静岡県には253体が贈られ、そのうちの2体だけが
完全な形で保存されていることが確認されています。
愛知県の9体というのは、日本国内でもかなり高い保存率なのです。


グレースちゃんはビスクドール（素焼き）のため、すでに劣化が始まっています。
今後、どの程度までその姿を保つことができるか・・・
でも敢えて自然のままに、修復はぎりぎりまで待つつもりなのだそうです。

人形たちが海を渡ってから85年の月日が経っています。
当時の戦争は終わったけれど、世界から戦争は無くなっていません。
お人形に込められた友情や親善の心が世界中に広がればいいのにね。

今回、このお人形に出会えたのは、
アメリカに住む友人のリクエストから始まった「小さな旅」でした。
つてを辿り、皆さんのご厚意に甘え、グレースちゃんに会えたことを
心から感謝します。　本当にありがとうございました。

そしてこの記事を読んでくださった皆さんに、
もう一つのグレースちゃんの旅を近日中にをお伝えしたいと思います。
どうかそちらもご覧頂くよう、お願いします。